今回は、ヒーロー株についてです。
会社法の施行により、
株式譲渡制限会社は株主総会の特殊決議で定款に定めることにより、
株主個人に着目した株式、いわゆる属人的株式を発行できるようになりました。
ヒーロー株もこの属人的株式のひとつです。
簡単に言いますと、
普段は議決権はないけれど、
社長兼100%株主が意識不明や認知症あるいは行方不明になったときに、
株主総会で決議を行うことができる数の議決権が発生する株式です。
上記のような場合、社長兼100%株主は亡くなってはいませんので、
相続や遺贈等で株式が移転することはなく、
社長兼100%株主が株式を保有したままです。
ただ、意思表示をできる状態ではないので、
実質的に株主総会を開催することが不可能になり、
会社の経営がストップしかねません。
とくに、
役員が取締役1名のみで兼100%株主の場合ですと、
業務執行権限のある者もいない、
株主総会を開催できないため新たな取締役を選任することもできない、
と、会社の経営は完全に行き詰ってしまいます。
そんなときのためにヒーロー株を発行しておきます。
ヒーロー株を信頼できる顧問司法書士等に保有させておくことで、
上記のようなことがあったとき、
ヒーロー株に株主総会で決議できる数の議決権が発生し、
株主総会が開催できず会社の経営がストップしかねないというリスクを回避することができます。
社長が会社経営できる状態のときは、
ヒーロー株に議決権は発生せず、
社長が会社経営できる状態に回復したときは、
ヒーロー株の議決権は消滅するように定めることができますので、
普段の経営になんら影響を及ぼすことはありません。
会社がピンチのときだけ登場するのでヒーロー株なのです。
ヒーロー株は会社の運営に関することなので、
会社がピンチになったときに会社の運営をどのように任せるのかを事前によく話し合って、
両者納得したうえで発行する必要はあるところです。
中小企業の事業承継に関連した問題やリスクヘッジの解決ツールのひとつとして、
ヒーロー株は今後ますます目が離せない存在です。
2008年11月17日月曜日
会社法①役員の任期の伸長
もうみなさん御周知のことかとは思いますが、
会社法の施行により、
株式の譲渡制限規定のある株式会社(委員会設置会社を除く。)は
役員の任期を10年まで伸長することができるようになりました。
経営者の方々の中には、
役員変更の登記が10年に1回でよくなったとお喜びの方も多いとは思います。
が、ここであらためて確認です。
この規定、
なにもしなくても当然に役員の任期が伸長されるわけではありません。
株主総会で、任期伸長の定款変更決議を行ってはじめて任期が伸長されるのです。
この決議を行っていない場合、
すでに役員の任期が満了している可能性がありますので注意が必要です。
また、任期伸長に関連して以外に問題になることが多いケースが、
会社法施行(平成18年5月1日)時点ですでに従前の役員の任期が満了しているケースです。
この場合は、
すでに任期切れの役員の任期を伸長することはできませんので、
新たに役員選任の決議が必要です。
最新の役員の就任の登記が平成16年以前のものである場合は、
このケースに該当する可能性が高いので、
会社登記簿でちょっと確認してみてください。
どちらの場合も、
役員の任期が切れたまま放っておきますと、
選任懈怠の責任を追及されるおそれもありえますので、
任期の伸長の株主総会決議をしたか、
そもそも役員の任期は切れていなかったか、
を、もう一度確認してみましょう。
会社法の施行により、
株式の譲渡制限規定のある株式会社(委員会設置会社を除く。)は
役員の任期を10年まで伸長することができるようになりました。
経営者の方々の中には、
役員変更の登記が10年に1回でよくなったとお喜びの方も多いとは思います。
が、ここであらためて確認です。
この規定、
なにもしなくても当然に役員の任期が伸長されるわけではありません。
株主総会で、任期伸長の定款変更決議を行ってはじめて任期が伸長されるのです。
この決議を行っていない場合、
すでに役員の任期が満了している可能性がありますので注意が必要です。
また、任期伸長に関連して以外に問題になることが多いケースが、
会社法施行(平成18年5月1日)時点ですでに従前の役員の任期が満了しているケースです。
この場合は、
すでに任期切れの役員の任期を伸長することはできませんので、
新たに役員選任の決議が必要です。
最新の役員の就任の登記が平成16年以前のものである場合は、
このケースに該当する可能性が高いので、
会社登記簿でちょっと確認してみてください。
どちらの場合も、
役員の任期が切れたまま放っておきますと、
選任懈怠の責任を追及されるおそれもありえますので、
任期の伸長の株主総会決議をしたか、
そもそも役員の任期は切れていなかったか、
を、もう一度確認してみましょう。
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